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キーワードに関係あるようなないような自分のバックボーンの一部をちょっと書いておくことにします。

私が強姦未遂被害にあったのは、以下のような経緯でした。

その当時私は別れたばかりの元カレからのストーカー行為に悩んでいました。
別れたきっかけは、彼が「彼女とは別れるつもりだから」と言って他の女性を口説いたことを知ったことでした。
「そのつもりなら別れましょう」と彼に告げると彼は狼狽し、「そんなの本気じゃないから」というので「本気じゃないならあなたはその人を騙しているのだから私の目の前で電話ですぐその人に謝って本気じゃないと告げなさい」というとそれも拒絶し、挙句の果てには「浮気は男の甲斐性なんだからお前はそれを許容するべきだ」と逆切れし始めたので、あきれて別れを告げたのでした。
しかし彼はそれに納得せず、学校の帰り道に私を待ち伏せしたり毎日のように電話をかけてきたりと嫌がらせを続けました。
身の危険を感じていたので、なるべく一人で行動しないようにし、その日も久しく会っていない友達に誘われて飲み会に参加していたのです。

飲み会にはその日初めて会う男性が1人いました。あまり感じがいいとは思わなかったのですが、飲み会の場で最近ストーカー行為をされていて困っているという話をしていたこともあり、帰りに家も近いし家まで送る、と言ってくれました。
その人のことも信頼できるかどうかは分からなかったのですが、まさか初対面で変なことをする人もそうそういないだろうと思い、送ってもらうことにしました。
そして、古すぎて私しか住人のいない共同アパートの前まで着いた時、共用玄関の扉の鍵を開けたところでそのまま押し込まれ、乱暴されそうになったのです。

相手は酔っていて気が大きくなっていたようでした。
それこそ殴られたり押さえつけられたりして痣だらけになりながらも死に物狂いで抵抗して最後には「警察に訴えますよ!」と叫んでどうにか相手を叩きだしたのですが、その後私はショックのあまり2週間程外出できなくなりました。
正確には、日が高いうちは外に出られず、暗くなってからしか出歩けなくなりました。
迂闊なことをしてしまった自分の情けなさに絶望して「お天道様の下を歩く資格がない」というような気持ちになっていたのです。
学校に行かなくなったことで学校の友人から心配する電話がかかってきたりもしましたが、「ひどい風邪を引いてうつすといけないので家で寝ている」と押し通しました。様子を見に来るといわれても「うつすといけないからこないで」と。

その当時は「男なんてみんな死んでしまえばいいのに」と本気で思ってました。
女である自分はこんなにバカにされないといけないのかと。
こんな世の中生き辛すぎるから死んだ方がいいかも、とぼんやり思ったりもしていました。
もう学校に行く気力もなかったし、何もかもどうでもいいと思っていたんです。

その間も元カレから電話はありましたが基本的に全部留守電のまま放置していました。
しかし事件から2週間後の電話で、留守電に「もう他の男ができてそいつのとこにいってるのか。この売女が!」というようなメッセージを吹き込もうとしていたのを聞いて、カッとなって思わず受話器をとって叫びました。

「五月蝿い!お前がストーキングなんてしてきたせいでこっちはレイプされる羽目になったんだよ!もう人生めちゃくちゃだよ!お前のせいだよ!どう責任とってくれんだよ!」

自分でも理不尽な逆ギレだということは分かってたんですが、ヤケになってたんで言わずにいられなかったんです。元カレに責任があるなんて露ほども思ってないし、むしろ一切係わり合いになって欲しくないので責任があったとしてもとっても欲しくなかったんですが、誰かに呪詛を吐き出さずにはいられなかった。

ところが、そう言った途端に、今まではずっと恨みがましく私のことを責め続けていた元カレの態度がコロッと変わったんです。
「そ、そんなこと言われても……。それって俺のせいじゃないし……」
明らかに元カレの中の私に対する執着心が薄れ、彼の腰が引けているのが分かりました。
「なんか大変そうだからとりあえず切るわ」
元カレは逃げるようにそう言って電話を切りました。そしてそれっきり彼からの電話はかかってくることはなかったのでした。

元カレの腰が引けたのが分かった瞬間に、自分でも意外なことに、ちょっと痛快だと思いました。
彼は私が自分の意志で彼の元から離れるのは嫌だったけれど、他の男に「穢された」私には価値が見い出せず、その執着心がなくなったんだというのが分かって、可笑しくなったのです。
思いがけない怪我の功名だったな、という気持ちもありましたが、自分達の作った「女は男のための性的資源であり、性的自己決定権があるのは男だけ」というルールに振り回されて「資源」を勝手に失うのは当の本人という構図が、滑稽だったのです。

実際にはその後何年も、加害者と似た体格・服装だったりする男性を目にする度にパニック発作が起きたりして、それなりに被害は後をひいたのですが、少なくとも自分を必要以上に卑下するような気持ちはなくなりました。
人間は追い詰められるとかして平常心を失ってバカなことをすることはあるものだ。そしてその結果性犯罪の被害にあうこともあるものだ。
けれど、性犯罪の被害にあって「人として価値が落ちる」なんて考えている人は対象にもともと人としての価値があると思ってないんじゃないか。それならそんな人間からの評価なんて最初から得る必要ないじゃないか。
性犯罪なんて所詮犬に噛まれた程度の被害でしかないわけだから。最初から対象に人としての価値を見出そうとする人なら、そのぐらいで人としての価値が落ちたとは思わない。

そういうわけで、その後は「女を性的資源としてしか見られないような人」とはなるべく係わり合いにならないように生きてきました。
その中で世の中そういう男性ばかりじゃないということも分かって、今は「男なんてみんな死ねばいいのに」などとは思わなくなりました。

今でも女を性的資源としてしか見られないような人と積極的に対話する気にはなれません。そんな考え方間違ってると考え直して欲しくても、立脚点が違いすぎて対話のためのコストがかかりすぎる。

女を性的資源と見なしている人は最初から「女は性的資源なんだからそのように扱われても仕方がない」というスタンスで話をしますが、「悪意のない被害者落ち度論」を述べている人は「女全般が性的資源であるとは思わないけれどある種の女は性的資源であると見なされても仕方がないのではないか。被害に遭いたくないなら性的資源であると見なされないようにするべきだ」というスタンスなんだと思うんです。

私は「それは違う」と言いたい。
被害者が性的資源であると決めつけているのは加害者である。被害者がその考え方を受け入れる義務はなにもない。
性的資源であると決め付けている人が実在するのは確かで、迂闊な行動をとったらそういう人たちに襲われるのも事実なんだけど、迂闊な行動をとる=性的資源と見なされるということではなく、性的資源ではなく人間だからこそ、迂闊な行動をとる権利は保証されるべきなんだと。

迂闊な行動をとったからその人は性的資源に成り下がってしまったなんて考え方は論外。その人の価値は全然変わらなくて、単に犬に噛まれただけなんです。
バカをやるのは前提という話なんで、予見性があって結果として被害にあった場合、その人は自分だけ「あー、バカやっちゃったなー」と反省したっていい。
反省することでむしろ気が晴れることだってあるから。
でもその反省は「スキーに行って調子に乗って上級者コースに挑んで怪我しちゃった」レベルでいいんじゃないかなあ。
そこでスティグマが付加される必要は一切ない。
「反省したら性的資源としての自分を認めたことになる」なんて捩れたことにもしたくないのです。

もちろん予見性がないならそんな反省する必要はかけらもないですよ。
でも予見性があったとしてもいいじゃん、それは許されないような致命的なミスじゃないよ、というのが私のスタンスで。

万が一被害にあってもダメージが少しでも少なくなるようにする方が重要。
そのためには「迂闊な行動をとった女性は性的資源と見なされても仕方がない」という考えの方をどうにかしたい。そういう考え方の方がよっぽどダメージなのだから。
かのキーワードについて考えるにあたって、私はそういう基本スタンスで臨んでいます。

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