jouno

超短編

 青が来れば、全員揃う。黒電話の線を得意気に齧っているネズミに、大概にしておけよ、と私は目配せした。
 最後に青が来て,その1つ前には黄色がたどり着き、赤は始まりにドアを叩く。せっかちなのは相変わらずだ。
 草臥れた茶のソファにふんぞり返って、赤が許可も求めずたばこを吹かした。臭いがつく。私は顔を顰めた。
 「どうした、禁煙党に鞍替えしたか」
 答えようとしたとき、壊れかけのドアチャイムが悲鳴を上げた。いい頃合いだ。
 「鴉に追われてね」
 無言で立ち上がると、全員が銃を抜いて、互いに照準を向けた。
 目をつぶり、青を心にゆっくりと一、二と数え、銃を天にゆっくりと向けると、私は、太陽を撃った。
 暗闇の永劫のなかで、黄色が死ぬ音が聞こえた。やって来た青が偽りだった以上、もう青はいないのだ。
 きっとドアの外すらもう存在しない。青が、ただ青が来れば、すべてが揃っていたのに。
 
 

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