花うさぎ

"花うさぎ" でひとこと

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florentine

花うさぎ

はてなブログに投稿しました
コラボ「花うさぎ」『夢のように、おりてくるもの』活動記録、同人誌、その他のお知らせなど - がらくた銀河
http://florentine.hatenablog.com/entry/00000101/1337431515

ちったーから来てくれてるひとがいることがわかったので書き換えました。
florentine

花うさぎ

『夢のように、おりてくるもの』
https://i.crunchers.jp/data/work/393

さっき見たら43,013 ビューでしたv どうもありがとうございます!
ムーンライトノベルズさんで196,368アクセスなので、これでもしかするとわたしの他の作品よりもよく読まれてる、というふうになったかも、です。嬉しい☆
この作品はWEBからさげないでおこうと思ってるので、
コラボ花うさぎのものだから、という単純なはなしだけでなく、
たぶんきっと、凄くわたしらしい作品でもあるし(すき好んでめんどくさいこといっぱいやってるからwww)、
今の、こういう時代に読んでもらいたいものだから、という意味で。
次は是非とも300,000を目指したいと思います!
どうぞよろしくお願いいたします☆
florentine

花うさぎ

返信先うさ
夢のように、おりてくるもの
https://i.crunchers.jp/data/work/393

こちらでusauraraさんとコラボってた作品、おかげさまでクランチマガジンさんで40,067 ビューです。どうもありがとうございます~! 
9月30日のうささんの紹介で「39,648 ビューに達しております」でしたので早いのか遅いのかわかりませんがw
それから、小説家になろうさんのほうではトータル191,135アクセス、30,231人の方に閲覧していただいております。
はてなハイクで始まった企画ですが、ここをホームグランドにして、いろんな場所でわたしが思っていた以上の多くのみなさんに楽しんでいただいています。見守ってくださって本当にどうもありがとうございます。
ちなみに、本編完結済み、外伝連載中です。
クランチさんだとePubでも読めます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします☆
usaurara

花うさぎ

ピンクのエプロン by usaurara

30. ふっかつのじゅもん

f:id:usaurara:20140930211632j:image



2011年の春。
大きな失意のなかで見た花。
そのとき実ったアーモンドを連載期間中デスクトップの傍らに置き、
他者に、自分に、失望し、投げ出したい気持ちになるたび眺めました。
木の実の中に入っていたのはこの文章です。


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「欲望」そのものを操作しようとするひとたちにはその無謀に呆れますし、
「悪」から目をそらし、ナイものにしてすませようとするひとたちは怠惰だと嘆きますし、
自身や世界をキレイなものにしておきたいと願うひとの「弱さ」はわたしの身の内にもありますが、それゆえに厭います。
「夢のように、おりてくるもの」は、そうしたわたしのやるせなさが何らかの形で実を結んだものとはいえると思います。

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これは連載を「始める」ときのメールに書かれていたもの。
ふとモニターから目を外せば、わたしはいつでも原点に戻ることができたのです。



さて、30日間おつきあいいただこのエッセイは、本日をもって終了となります。
思いのほかたくさんの閲覧をいただいた感謝を皆様に申し上げますとともに、
この場を提供下さったクランチマガジンの皆様に御礼申し上げます。
ありがとうございました。



             ―――「夢のように、おりてくるもの」挿画担当 usaurara (続きを読む)
usaurara

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ピンクのエプロン by usaurara

29. 種子

f:id:usaurara:20140930211239j:image



「あなたはあなたのままでいてくれ」とか
「都会の絵の具に染まらずに帰ってこい」とか
昔は勝手な文句を歌っていたものだが、最近はさすがにこういったセリフを聞かない気がする。

中学三年生で付き合っていたひとが交換日記の最後にこう書いた。

「明るく素直なあなたのままで」

しかし残念ながらその後の高校生活、わたしは失恋をしてほとんど心の底から笑うことができなかった。「明るく素直なあなたのままで」は輝かしき標語となり、それでなくても息苦しい毎日にのしかかった。

そういった言葉はだいたいにおいて悪意でなく、むしろ善意で口にされている。好意を含むやさしい言葉としてある。それは承知だが、だからこそやっかいだ。その厄介さに気づかずそれを口にするのは、中学三年生の初恋でもなく大人が大人に向って言うならなおさら傲慢である。ひとがどのようにあろうとするか、その決定はそのひとの基本的な権利としてあり、そんな自明なことは自明すぎて誰も言わないけれども・・・・・・。



わたしはコミックを描いているうちにラスボスがとても好きになった。彼の他者への接し方は一度親しいひとを亡くしたせいだろう、とても美しい。人間関係に疲れ自棄的になっていただろう店長は、ラスボスには暗い顔も見せただろう。でもその強さを信じて余計なことは何も言わない。
人はなるべきものになる。そのひとの核となるものは、どんな試練に遭おうと、誰に望まれようと望まれなかろうと、種子のようにその人のなかにあり続ける。そう思ってただ見守っていたように思える。


「明るく素直なわたし」は封印されていただけで今もちゃんとわたしのなかにある。 (続きを読む)
usaurara

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ピンクのエプロン by usaurara


28. 零れ落ちる


f:id:usaurara:20110306215113j:image



尺が少なくなってきたのでそろそろこの物語全体を通してわたしが見ているものについてお話しようと思います。
そのまえにご承知いただきたいのは、これがコラボをしたusauraraの私見でありたくさんの見方のひとつに過ぎないということです。
物語に何を託したかということを作者にあらためて問うたことはありませんし、それはこれからもしないでしょうから。



なぜ「夢使い」がこんな能力をしか持たぬものとして登場させられるのかを考えなくては、作者が託したものは掬い取れないだろうとわたしは思います。そしてそのことに気づくには、ある種の経験がそのひとのなかに深く沈殿していなければならないのではないかとも思っています。
たぶんそういうひとはこの世の中の多数派ではないけれど、決して無視していいほどの少数でもありません。

また、この小説はBLというジャンルの娯楽小説のみせかけをとっており、そうした以上はちゃんとソレとしての要求にも応えようと努力されてもいます。が、全体をとおしてみればまったく娯楽小説的ではありません。
ここにあるのは「少し立ち止まって考えてみてほしい」という肉声であり(拡声器やマイクで声高に蹂躙するやりかたは決して選ばない)、多くのひとはそれを耳にして「聞こえない」「もっと大きな声で言ってくれないとわからない」という態度をとるでしょう。
それはこういった類の作品の宿命です。本来届くべき場所には届かない。


この作品をBLと呼ぶこと、呼ばれることについて、わたしたちは「名づけの暴力」という観点から「拒むことができるなら拒みたい」と思ってきました。しかしそれを枉げることでこの作品が新しい人のもとに届くならばと作者は妥協をし、現在こうしてたくさんの人に読んでいただける... (続きを読む)
usaurara

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27. ゲッタチャンス

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アクセルを踏むのは常に茶髪君であるかに見える。でも、そこに至るまでには実は何度も黒髪君がアクセルを踏んでいるはずだ。意識的かどうかは別にして。

昨日、王子様のようにカッコイイうささんを印象付けてしまったので修正をしたい。
わたしはグダグダと泣きごとを言っているだけのひとが嫌いなので、このコラボを持ちかけたのは「救済」の類ではないと書いておく。(結果的にそうなったということはありえても、だ)
その当時、たしかに彼女ははてなハイクでグダグダと泣きごとをよく言っていた。しかしそのかたわらで、これまでに書いてこなかったタイプのお話を連載し始めてもいた。

ご存知のように彼女の得意分野を並べたら「歴史」「古典」「西洋」「美術」「ルネッサンス」「SF」などが挙がると思う。
でもそのお話はどうもそれらのどこにも属さないように見えた。主人公が異能者であるのが若干SF的ではあるけれども、その能力というのは極めて限定的だ。その部分さえなければ、ごくごく普通に見かけるBLのようにも見える。(しかしBLと括る類の話でもないことはまた別に話す)
彼女はそれまでの蓄積を肯定的にとらえることができずに「出口がない」と嘆きながら、一方ではちゃんと新しいことに手を付け始めていたのだ。


率直に言ってしまうが自分は愛さんの小説の「熱狂的」なファンではない。彼女の文章は好きだ。特に日常の出来事についての小さな違和感などを自己分析的に悩みながら書き綴った文章は、他者に対する畏れと自分の無知や誤謬の可能性に過不足なく触れつつ書かれていて心地いい。しかし小説はちょっととっつきにくい。そう感じていた。
そこに「夢のように、おりてきた」のがこの物語である。

「これなら一緒にやれるかもしれない・・・・・... (続きを読む)
usaurara

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26. 生成されるために

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「一次~二次創作と作家性について詰めることなくコラボを始めてしまった」という失敗談を話したが、そんな無茶ができたのはそれに先立ち二年間「はてなハイク」という場の共有があったからだ。すでにお互いについて、かなりの確かさで了解ができていた。「実際の細かいことはたいして問題ではないでしょう。『あ、うん』でやっていきましょう」と彼女は言った。

嬉しかったが、実は「まいったな」とも思った。
この企画を持ちかけたときの彼女は長くやってきた仲間と意見を違えてケンカ別れし、自伝的恋愛小説に行き詰まり、創作の支えとしていた人を病で失い、心身共にボロボロだったからだ。
これは何があっても裏切れない。わたしは「この先どんな意見の相違があろうとも誤魔化さずにきちんと伝えよう、伝わるまで伝えよう」と誓って連載をスタートした。

コラボの謳い文句には「フレキシブルに」とある。「~~できない」という呪いから解放され自由気ままににやっていこうという気持ちをあらわしたものだ。そして実際にほとんど何の打ち合わせもなく、それこそ「あ、うん」で二年の連載をやってきた。
だから「いつ、どんなかたちで完結を迎えるのか」も最後まで神のみぞ知ることだった。

この物語はひとつのテキスト作品としてだけ読むといろいろと足らない部分がある。それは現段階では仕方のないことだ。「コラボ」の意味を最大限活かすために彼女は自己完結をあえて捨ててこちらを取り込んだ。その気持ちにここであらためて礼を言いたい。どうもありがとうございました。



クマのプーさんをクリストファー・ロビンに語ったときのミルンはどんなだったろうと思う。
はじめはなんにもなかったんじゃないかな。
何度も何度も語るうちに木が森になり、川が流れ、海に... (続きを読む)
usaurara

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25. ドラマティック

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付き合っていたころの彼は世の男性並には写真に熱中しており、重いフィルムカメラを毎度デートに提げてきた。そうして数年間、レンズに微笑みかける女の子の写真を量産したあとパタリと止めた。結婚したのだ。

つくづく思うことがある。「なぜ結婚したら男は妻の写真を撮らないのか」ではなく。
誰もがほぼ同じ位置に二つの目を持ち、同じ場所に居ながらも、観ているものがまるで違っているということ。カメラで視界を切り取った集積を眺めていると、そんな当たり前のことがあらためて意識されるものだなと。
いわゆる「ポートレイト」を彼は撮りたかったのだろう、そして撮ってくれたのだ。それには素直に感謝するが、自分はそれを好まなかった。そういう指向の違いは自分が携帯というモノを手にしてからいっそうはっきりした。わたしは写真にひととその場の関係、ひととひととの関係、ひととモノとの関係というように、AとBとの間にあるドラマを拾いたいのだ。


三本目のコミックは茶髪君がカメラマンをする話だ。愛さんの設定では「シネフィル男子」であるから、そりゃここぞとばかりにやりたいことをやるだろう。カメラアングルにも拘るだろう、ムービーも撮るだろう・・・・・・と、カメラを手に動き回る彼をたくさん描いた。そして最終的には、その姿をさらに映像に組み込む二重構造で仕上げたいという構想を抱いていた。(これは出来ず仕舞いだが)


「なぜ結婚したら男は妻の写真を撮らないのか」の答えにもはや興味もないAとBのわれわれだが、あんなポートレイトを撮っていた時期があったという事実は写真の中のドラマよりもずっとドラマかもしれないと思ったりする。あんど現在進行形だ。 (続きを読む)
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24. 強いもの、弱いもの

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コラボの一年半近くを我々は認識のズレに気づかず過ごした。気づいたのは、たまたま印刷屋のセールの話が舞い込んだときだ。「本、作ろうか」

第二部まででもすでにテキストは薄い本として十分にあった。コラボ当初からオフライン活動をしない方針の私は「絵を寄稿するだけなら」と協力を快諾したが、イラストの内容を話し合ううち互いの「ズレ」に気づく。
唖然としたw

一般的なことはわからないが小説のコミック化という場合、テキスト作品の色彩を最大限生かしながらビジュアル化するのが「スジ」だろうと考えていたし、この作品の世界を尊重したい気持ちを私は自然に持っていた。
そしてまた、「ビジュアルの強さ」を普通の書き手なら恐れるだろう、そうも思っていた。
ところが、「いえ、全然ちがいます」と完全否定されたw


「あなたがそんな蓮っ葉だとは思わなかった」と当時を振り返って彼女に言ったことがある。
我々の間で通じる「蓮っ葉」というニュアンスを誰にでもわかるように言いかえるなら「手負うことを恐れずより大きな獲物を狙って可能性に賭けてみる、そういう気質」といった感じだ。


「うじうじくん」はたしかに著者に通じる気質だが、その一方で彼女はたまに目を瞠るほどの強い踏切りを見せる。

たまに、だけれどw (続きを読む)
usaurara

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23. トランペットと波の音

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長い連載期間だったので失敗はいくつもある。

第一部で集客の手として「朗読」を取り入れたのだが、特に何の問題も感じなかったため「続けよう」と合意した。だが、連載が進むにつれこれが失敗だったと気づく。

朗読とテキストの併載ということは、その文章が朗読の「音」だけで十分に意味が通じなければならない。特殊な文字使いで文章に余韻を与えることができない。また、音で聞かせる場合「時間のまとまり」についても敏感でななければならない。何話にもわたって「ひきずる」ことができないのだ。さらに、性描写では「えっ・・・・・・こ、これ、読むんですか?」と朗読者に拒否られるようなことも書くわけにはいかないw
そういう枷が、第二部と第三部の文章に色彩差を生んでいる。第二部は第三部にくらべ文章にアクが少なく、抑制的であるのがおわかりいただけると思う。


でもこの失敗は、お互いいい勉強になった。特に愛さんはそうだろう。枷を嵌められることで、自分の著述スタイルがどう変わり、それが客観的にどう見えるか、枷がどう作用したか。今ではなくてあと一年か二年先。明瞭になることがあるんじゃないかなと思う。

さて、上の3つの絵は第三部で動画と一緒に並べたものだ。
朗読から解放された第三部では「動き」や「広がり」をテーマにした。ストーリー展開が主人公たちからその外部へひろがるのにあわせて。単なる「挿絵」でなく、色彩的に同調させつつ別のものを投げるというかたちになった。
テキストに動画や音を組み込むのはかねてからの念願だったので、これに手をつけられたのはありがたかった。が、やり残したこともある。

今まで話していなかったが、実は海を舞台にした三つめのコミックは最終形ではない。他のふたつにくらべて画面がス... (続きを読む)
usaurara

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22. 泥棒猫

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作り話なんだから主人公である黒髪君が恋人である茶髪君の窮地を救ったり、さらにはふたりで地球の窮地を救ったりしてもいいのに黒髪君は第一部からすでにとろ臭く、第二部では正念場であたふた逃げ出してしまい、押しかけられて押し倒されてあげく居すわられてダメダメだw

一応言っておくけど、キャラクターについてわたしが希望を伝えたことは一度もない。
ただ、コラボに先立つメールで「いつかオスカーの分身を描いて幸せにしてあげたいなあなんてずっと思い続けてるんですよw」と昔話に交えて伝えたことはある。
「トーマの心臓」を読んだ当時のわたしは幼く、あれだけ長く見守ったオスカーがユーリのなんの力にもなり得ず、その固い扉をいとも簡単に開いてしまったエーリクに腹を立てていた。「この泥棒猫め・・・・・・」


「いつか」は、「今」こうして叶えられてしまった。


いいとこもってってごめんね。
先に20000ビューのお礼言っちゃってごめんね。
でも愛さんのそいうとこ好きだからずっと掃除機持って追いかけてきてね。

親愛なる魔法使いさまへ・・・・・・             泥棒猫より^^ (続きを読む)
usaurara

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なお、「夢のように、おりてくるもの」本編のクランチマガジン掲載ページは2014年9月末日現在で 39,648 ビューに達しております。☆4万ビューは目前だ☆
ここ、はてなハイクで見守り育てて下さった多くの方々を含むたくさんの方々の応援に感謝申し上げます。

クランチマガジン掲載ページ https://i.crunchers.jp/data/work/393

usaurara

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21. てふ

f:id:usaurara:20111114101303j:image


蝶は日本中から飛んでくる。
この時代に、蜜の在り処まではひとっとびだ。
ある種の花をある種の蝶が好み、別の種の花を別の種の蝶が好む。
花の咲く場所がどこであろうと蝶には関係がない。
花の名前も格付けも知ったことではない。


ところで以前知ったのだが、花をより美しく進化させたいわゆる「園芸種」の花は蝶に人気がないらしい。
そういう花は蜜の分泌機能が低下しているのだという。


たっぷりと滋味のある蜜が吸いたくて蝶は飛んでくる。
ここでこれを書く私自身が、その群れの一匹だ。
飛び立ちたい、今すぐ。(訳:腹減ったw)


おかげさまで「夢のように、おりてくるもの」本編の閲覧数が20000ビューを超えました。
このエッセイの閲覧への感謝とともに、皆様に御礼申し上げます。 (続きを読む)
usaurara

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20. 北へ


f:id:usaurara:20110924145816j:image

フィンランドのロードムービーを観た。南のヘルシンキから600キロ、凍てつく景色を北へと走る。
その映画のなかで、寝床にはいった孫娘に老人が話を聞かせるシーンがあった。極限に追い詰められたものが出遭う小さな幸福。
実際にあの国で今も語られるものか、忘れられた古いものか、映画のオリジナルか、そもそも設定として「老人の即興」とされているのかはっきりしないが、あの自然に暮らす人々にふさわしい厳しく美しい寓話だった。

こう書いたら暗い映画と思われてしまうが、筋もキャラクターもほどよくハチャメチャで終始ニヤニヤ観ることができる人情コメディだ。そのいかにも作り話的な解放感をしっかりと地面につなぎとめるのはフィンランドという土地である。その印象は、明るく伸びやかにみえながら哀感を滲ませるかの国のデザインにも通じる。

昨今の北欧デザインブームには食傷気味だが、素材を生かすためによく抑制されたデザインには昔から惹かれている。特にガラスが好きで、一時期フィヨルドを想わせるボトルのフィンランディアをよく飲んだ。


男同士で呑むこと、これは生まれ変われるならやってみたいことのひとつだ。だから「夢のように・・・」の伴走中も男たちによく飲ませた。店長にはわたしが好きなタンカレージンを。

もうひとつ、ぜひやってみたいことがある。この映画では「呑み」はもちろん、そのシーンもあった。
予告編の最後に出てくるのでよければご覧ください。映画のタイトルは「旅人は夢を奏でる」です。
(続きを読む)
usaurara

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19. 紅い芍薬 闇に蛍

f:id:usaurara:20111108220112j:image


兄を亡くした季節が初夏だったせいか、黒髪君の「喪失」もそのころのような気がした。

制服のジャケットは、クリーニングに出そうと部屋の端に吊り下げられていただろう。
カッターシャツは洗いあがっている。
洗ったひとはもうここにいない。

彼は鏡をみている。
その向こうをみている。


さて、衣替えのシーズンだ。
ものを右から左へ動かしただけでもひとはときめいてしまうらしい。
高血圧のわたしは用心せねばならない。

同様に、お嬢さんがたは夏に用心せねばならないらしい。
夏は恋の季節で、恋は人生が片付くときめきの魔法となることもあるから。 (続きを読む)
usaurara

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18. おおきなにもつ

f:id:usaurara:20140929222710p:image


先日愛さんから茶髪君について耳打ちされた。
それはとてもおおきなものなのだと。

「そ、そうだったんですか。それは存じませんでした。今後はしっかりとその点に留意して描かせていただきます!」

人と人が出会うとき必ずそれぞれに荷物を背負っていて、ゼロから始めることなんかできない。
そういう話を、この連載当初彼女としたなと思い出している。
出遭いというものを、ゼロから始められたならどんなに楽だろう・・・・・・。



あの頃彼女は「どうしても、どうしても、恋愛が書きたいのだ」と言った。
「なのに、お前には書けないと言われた」と嘆いた。

マイナスからの出発でも、ひとは歩かないわけにはいかない。
何度でも、歩き始める。



さて、冒頭の耳打ちについてだが、正確に言うと「にもつ」の話ではない。
2ではなく1である。
(続きを読む)
usaurara

花うさぎ

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17. 楽園

f:id:usaurara:20140512165328j:image


水底から手を伸ばし
その掌にちからを蓄え
花を咲かせる睡蓮をガラス越しに眺めるのは

守れなかった罪に

さらにその忘却を赦しそうになる罪に
身を浸すためだ


楽園のように光あふれるバスタブの
水は悔恨に満ちている (続きを読む)
usaurara

花うさぎ

ピンクのエプロン by usaurara

16. 休眠と覚醒

f:id:usaurara:20121225000959p:image


「目覚め」には光と温度と時間が関係する。


彼は最上階にある施設の研究員であり花守でもある。
毎年水ぬるむころには研究と関係のない観賞用スイレンの目覚めが気になるのだ。


クリスマスのコミックは当初「クリスマスもので二人の距離がちょっと近づくお話」をやろうということだった。でもそれだけではあまりに小さい。ただ甘酸っぱいだけの小咄になる。もっと掘り下げて描きたいと欲が出た。
二人の関係が成立する直前に、茶髪君がその準備をする工程を組み入れてはどうだろう・・・・・・。

まず「ラスボス、どう?」って聞いたら「ダメです。そういう人じゃありませんっ」w それでオリキャラ投入とあいなった。
このひとにはモデルがある。実に素朴で誠実で自分の学究的対象のこと以外にほとんど関心がなさそうなひと。痘痕(あばた)だらけの顔に黒縁の分厚い眼鏡をかけ、熱く熱く生物を語る教師であった。
せんせい、お元気ですか・・・・・・わたしはあいかわらずバカならくがきしていますごめんなさい・・・・・・ (続きを読む)
usaurara

花うさぎ

ピンクのエプロン by usaurara

15. みぎ、ひだり、みぎ、ひだり

f:id:usaurara:20111025210947p:image


リアルという言葉をよく使うようになったとき、それはバーチャルと対立させたものだった。
2014年の今、それらは自転車のペダルのようにクルクルと追いかけあいながら時代を前へと運んでゆく。

第二部タイトルにあるように車輪のイメージもこの物語のモチーフだ。
いくつものギアがそれぞれの回転をしており、それがより大きな運動をつくる世界。しらずしらずにひとは隣り合ったギアを廻している。

相棒のペダルはとてもゆっくり進む。
ローギアで。
それは何かを得るためには都合の悪いことかも知れないが、けっして悪いことではない。
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