詩
パンク
はれあがった青空のくるぶしに触れて
回帰する痛みを
確かめる
そのまま見上げていると
階段の先に
喪服を着たそれなりに疎遠な影たちが立ち並び
誰かを待っているようだった
黒か透明な傘ばかりで
来るとわかっていて
踏んでしまったからには仕方がない
まぶたの裏でそれもくるくる回る
わかっている
煙は遠くふだん見えないけれど
それもわかって
いる
斎場の近くの自転車屋さんへ行って
修理してもらっているうちに
お仲間たちが呼んだので
客がぜんぜん来なくて
今日は一日中雨が降っていたから
しばらくして帰ってきたから
何度か呼んでみた
折りたたまれていく襞
「なあに、おれの名前覚えちゃったの?」
そしてあなたは煙草をいっぱい吸った歯を
見せてくれた
原さん
原さん
帰らないとわかっているものはもう待たれはしない ただ
あなたのその頼もしい手に染みついた
オイルみたいに 青空に
あなたの名前も
煙草みたいにぼくの歯の
裏側に
(Read more)
詩
こんな自分は嫌だと 泣いて
どんな自分になりたいのかも 分からなくて
もっと 強くなれると 頑張って
強さの意味も 分からなくて
もっと何でも出来ると 張り切って
何が出来るかのかも 分からなくて
辛くて 苦しくて イラついて
どうしていいのか 分からなくて
それでも生きて
生きる意味も 分からなくて
死ねる理由も 死ぬ勇気もなくて
惰性で 生き続けて
得られるものは 何だろう (Read more)
どんな自分になりたいのかも 分からなくて
もっと 強くなれると 頑張って
強さの意味も 分からなくて
もっと何でも出来ると 張り切って
何が出来るかのかも 分からなくて
辛くて 苦しくて イラついて
どうしていいのか 分からなくて
それでも生きて
生きる意味も 分からなくて
死ねる理由も 死ぬ勇気もなくて
惰性で 生き続けて
得られるものは 何だろう (Read more)
詩
どれだけの地図を煙草の巻紙として
両の肺に吸い込んできたのかおまえは
分断され気体化するふたつの社会を
血脈という無根拠な流れに取り込んで
どれだけの論争を清涼な氷として
奥歯で噛み砕いてきたのかおまえは
粉々になり液体化する歴史記述を
自らの熱とともにただ排泄するために
おまえは爆発を抱いているのではない
おまえは爆発そのものだ
回りながら焼け落ちてゆくもうひとつの太陽
八千年前の貝塚の位置も思い出せない者たちが
おまえを地中深く埋める だが永遠の朝が来れば
ああどれだけの時計を止めて回るだろうおまえは (Read more)
両の肺に吸い込んできたのかおまえは
分断され気体化するふたつの社会を
血脈という無根拠な流れに取り込んで
どれだけの論争を清涼な氷として
奥歯で噛み砕いてきたのかおまえは
粉々になり液体化する歴史記述を
自らの熱とともにただ排泄するために
おまえは爆発を抱いているのではない
おまえは爆発そのものだ
回りながら焼け落ちてゆくもうひとつの太陽
八千年前の貝塚の位置も思い出せない者たちが
おまえを地中深く埋める だが永遠の朝が来れば
ああどれだけの時計を止めて回るだろうおまえは (Read more)
詩
サンデーナイトパンクロック
「おお逆立ちするキノコ雲の王女よ
そなたは迷いの新宿駅の森の奥深くへゆき
光輝く伝説の電源プラグを引き抜いて
わが天空の鼻孔へうぬらーっと差しこみたまえ
さすればこの国の電力不足も解消されん
とイナヅマハカセは申すけれどもわたしは
さっきから手術台の上で待ちびとに忙しいのだ
「おおニシンどうしてあなたはニシンなの
何度もよろこびのぬかづけにされて
わたしの黒く艶めかしい肌はもはやつるつる
「頭は四つ 足は二十四本 尾は四十二本
さてわたしの入れ墨に亀は何匹いるでしょう?
「正解は爆発の後で 避難者に拍手
「よくできました よくできました
「おお前かがみ歩き世界記録の王女よ
「答えは四十二匹 そのうち三十八匹は
とうに斬首の憂き目に遭い また三十六匹は
足をもがれたのでござんしょ お見舞い申し上げます
「夏だ プールだ ロート子どもソフトタッチ
「おまわりさんこいつです 「よくできました
「入道雲の真下 欲 出て来ました
「おお授業中の原爆オナニーの王女よ
そなたは輝く伝説のこけしを引き抜いて
わが大地の尻穴へおどりゃーっとぶちこみたまえ
さすればこの国の少子化も解消されん
とカミカゼハカセは申すけれどもわたしは
もうずっと手術台の上で待ちびとに忙しいのだ
「おおマシンどうしてあなたはマシンなの
ピーッ ピーッ ガッツいしまーつ ガッツいしまーつ
お願い 壊れかけた自動音声で呼びかけないで
この黒いサテンの肌に どうか
人間の証明を! 人間の証明を! 人間の証明を!
やさしい やさしいあなたの針先で!
(Read more)
詩
このキーワードの投稿者に提案します。
自作の投稿ではなく、自分の愛唱する他作の詩を紹介したいとき、
その詩人または翻訳者が生存中であるか死後50年経過していない場合は、
少なくとも詩人名および翻訳者名と典拠を必ず明らかにしたうえで、
次のふたつのことのうちいずれかを行うようにしませんか?
(1)感想文を書く。(自分はどうしてこの詩をここで紹介したいのか。どのように解釈できるのか。あるいはどんな場面で思い出されるのか、などなど)
現行の著作権法に基づくと、とくに詩人もしくは翻訳者が生存中か死後50年経過していない場合、本来ならばこちらをとるべきです。その場合、全文引用すべきではなく、しかも内容的にも分量的にも引用部分が「従」となり自分の感想が「主」となるようにこころがけなければなりません。
というと、ひょっとすると煩わしく思われるかもしれませんが、しかし引用したい詩が生存中か近年まで生存していた詩人および翻訳者による労働の結果であることを考えれば、私たち自身の手間などたいしたものではないように思えてくるでしょう。
とはいえ、素晴らしい詩は実際のところ作者の手を離れて愛唱されるものだし、またそうであるべきだ、ということも私は忘れたくはありません。もっと気軽に紹介したいという思いもあります。ならば、生存中の詩人および翻訳者もしくはその遺族たちにとっても不利益とならないような仕方で紹介すれば、彼らにとっても喜ばしく思われるのではないでしょうか。というわけで、以下の(2)の方法も提案します。
(2)もしもアマゾンなどオンラインショップでその典拠もしくは類似品を購入可能ならば、その商品ページへリンクするかURLを記載する。
これなら、書籍その他の宣伝にもなりますから、詩人や遺族から恨まれにくくなり、むしろ場合によっては喜ばれさえするのではないかと思います。
いかがでしょうか。 (Read more)
自作の投稿ではなく、自分の愛唱する他作の詩を紹介したいとき、
その詩人または翻訳者が生存中であるか死後50年経過していない場合は、
少なくとも詩人名および翻訳者名と典拠を必ず明らかにしたうえで、
次のふたつのことのうちいずれかを行うようにしませんか?
(1)感想文を書く。(自分はどうしてこの詩をここで紹介したいのか。どのように解釈できるのか。あるいはどんな場面で思い出されるのか、などなど)
現行の著作権法に基づくと、とくに詩人もしくは翻訳者が生存中か死後50年経過していない場合、本来ならばこちらをとるべきです。その場合、全文引用すべきではなく、しかも内容的にも分量的にも引用部分が「従」となり自分の感想が「主」となるようにこころがけなければなりません。
というと、ひょっとすると煩わしく思われるかもしれませんが、しかし引用したい詩が生存中か近年まで生存していた詩人および翻訳者による労働の結果であることを考えれば、私たち自身の手間などたいしたものではないように思えてくるでしょう。
とはいえ、素晴らしい詩は実際のところ作者の手を離れて愛唱されるものだし、またそうであるべきだ、ということも私は忘れたくはありません。もっと気軽に紹介したいという思いもあります。ならば、生存中の詩人および翻訳者もしくはその遺族たちにとっても不利益とならないような仕方で紹介すれば、彼らにとっても喜ばしく思われるのではないでしょうか。というわけで、以下の(2)の方法も提案します。
(2)もしもアマゾンなどオンラインショップでその典拠もしくは類似品を購入可能ならば、その商品ページへリンクするかURLを記載する。
これなら、書籍その他の宣伝にもなりますから、詩人や遺族から恨まれにくくなり、むしろ場合によっては喜ばれさえするのではないかと思います。
いかがでしょうか。 (Read more)
詩
訳者名について知りたかったので、訳詩の第一行で検索をかけたところ、高瀬鎮夫という非常に有名な映画字幕翻訳者によるものだったことがすぐにわかりました。
ところで、映画字幕の翻訳は、他の分野よりもいっそう個人の独創的な技量と趣向に左右されます。というのも、字幕は俳優の話す速度に合わせて出さなくてはなりませんが、毎回忠実に訳していたら一部で文字が長くなりすぎてしまって間に合わないところが出てきます。そういうところでは、字幕翻訳者が意味を保ちながらセリフそのものを短くアレンジします。
高瀬鎮夫もその技量において名を残した字幕翻訳者のひとりです。ここでも原詩と訳文の意味はほぼひとしく、格調高いままリズムとして親しみやすいものになっているように思います。素晴らしい職人芸です。
ところで、映画字幕の翻訳は、他の分野よりもいっそう個人の独創的な技量と趣向に左右されます。というのも、字幕は俳優の話す速度に合わせて出さなくてはなりませんが、毎回忠実に訳していたら一部で文字が長くなりすぎてしまって間に合わないところが出てきます。そういうところでは、字幕翻訳者が意味を保ちながらセリフそのものを短くアレンジします。
高瀬鎮夫もその技量において名を残した字幕翻訳者のひとりです。ここでも原詩と訳文の意味はほぼひとしく、格調高いままリズムとして親しみやすいものになっているように思います。素晴らしい職人芸です。
詩
人間は言葉を支配する。
言葉は人間を支配する。
言葉にある概念しか感じとれない僕らは、
言葉に無いものを表現出来ない僕らは、
言葉にしてしまうことによって想いが活字化されてしまう僕らは、
結局は言葉の操り人形なのか。
そんな不完全なもので感動し、
喜怒哀楽を感じてしまう人間って、
なんてつまらない存在なんだ。
きっと、
この言葉も偽物、
あの言葉も偽物、
だから察して欲しい、感じて欲しい。
でも、察してしまった時点で、
感じてしまった時点で、
脳に伝わってしまった時点で、
それはすでに、
言語化されてしまっているんだ。
感情は水、想いは空気、
だから決して手では掴めない。
君のことは分からない。
僕のことも分かりはしない。 (Read more)
言葉は人間を支配する。
言葉にある概念しか感じとれない僕らは、
言葉に無いものを表現出来ない僕らは、
言葉にしてしまうことによって想いが活字化されてしまう僕らは、
結局は言葉の操り人形なのか。
そんな不完全なもので感動し、
喜怒哀楽を感じてしまう人間って、
なんてつまらない存在なんだ。
きっと、
この言葉も偽物、
あの言葉も偽物、
だから察して欲しい、感じて欲しい。
でも、察してしまった時点で、
感じてしまった時点で、
脳に伝わってしまった時点で、
それはすでに、
言語化されてしまっているんだ。
感情は水、想いは空気、
だから決して手では掴めない。
君のことは分からない。
僕のことも分かりはしない。 (Read more)

