民主党天下にもはや法律など無意味か?最高裁で退去処分となった中国人に千葉法相が在留特別許可を出すアルファルファモザイク
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51516373.html 色々と誤解やミスリードがあるので、簡単に書いておきます。
1.最高裁の判断について
裁判で争ったのは退去強制処分という「行政処分」の違法性で、 裁判所の判断は残留孤児の一家に「退去強制令書を執行せよ(強制送還しろ)」と命じているわけではありません。
法律にある在留特別許可という制度は、 最高裁で負けた段階での一家に在留資格を与えても与えなくても法律の枠内です。
2.法務大臣の裁量について
基本的に、どこの国も在留資格のない外国人(不法滞在者、非正規滞在者などと呼ばれています)は全て帰国させるという事はしておらず、国が定めた条件を満たした外国人には在留資格を認めるという事をやっています。
諸外国での主な在留特別許可の要件は、以下のようになります。
国名 条件
アメリカ 10年以上居住、善良、退去強制がアメリカ国民または永住者である家族によって非常な困難(注①)
フランス (1)10歳より前から居住する未成年者(2)10年以上居住する者
イギリス (1)7年以上居住している若い子供のいる家族(2)14年の居住
オランダ 6年継続居住・就労・税金・社会保険料の支払い(2)3年以上居住許可の決定放置
ドイツ 拒否された庇護希望者のみの制度だが、不法滞在者も庇護申請できるので使用可能(注②)
日本の場合は、「在留特別許可」という制度に一本化され、細かい基準は非公開でおおまかなガイドラインだけが公開されています。
細かい基準は公開されない理由は色々とありますが、それをまとめて「法務大臣の裁量」としているのが日本の特色で、立法府が定めた入管法50条1項という法律にある「在留特別許可」という制度は法務大臣が広範な裁量権を有しています。
そのため、法務大臣の裁量によって許可される一家を不許可にしても、不許可になる一家を許可しても法律の枠内です。
今までの自民党政権では、この裁量は行使されないもしくは許可しない方向の政策を是認するために使われてきましたが、政権交代に伴って、裁量をグレーゾーンの一家を許可する方向に発揮しようとしたのが今回のケースでは
ないかと思います。
特に今回の場合、中国残留孤児の子孫という特殊なケースで、元々中国残留孤児の子孫は在留が許可されます。
おまけ:.不法滞在者が増加するか
今回は中国残留孤児の子孫という特殊なケースですが、コメント欄とかで懸念を示している方が多い不法滞在者の問題について補足しておきます。
在留特別許可は、2005年の実績だと、退去強制手続きにのった外国人の人数が57,172人で、在留許可者総数は10,834人(不法入国:2,077人、不法残留:8,483人)になります。
不法滞在者の推移は、ピーク時の1993年は298,646人でしたが、年々減少して2008年には113,072人にまで減っているなど、政策的な範囲で見ると不法滞在者が増えるという事はありません。
http://www7.atwiki.jp/epolitics/pages/190.html#id_98325bf3問題は、政治的に見て納得するかしないかとか、個別の家族が許可されるか許可されないかとかはの範囲に問題は留まります。