sirouto2 Hatena Haiku Citizen (Bronze 72 jours)

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sirouto2

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>時間性と可能性は本当に非対称なのか
 時間と可能性の非対称性、ひいては時間の不可逆性は、自然法則なので受け入れないと仕様がないです。が、その自然に対する、人間の価値付けには幅があることを補足しておきます。たとえば、基本的には過去の罪が問われ、可能世界の罪は問われません。ただし、過去の罪が「時効」で不問になり、可能世界の罪が「未遂」という形で問われるケースもあります。「遠くの過去より、近くの可能世界」という価値観もあるのです。

 また、時間性は固有性、可能性は偶有性に関連してきます。このどちらをどれくらい重視するかは、やはり人間の価値観です。ロールズの「無知のヴェール」は代表的で、要するに自己責任かどうかですが、ほかにもたとえば、著作権の問題、匿名性の問題、住基データベースのようなセキュリティの問題など、多分野に関係してきます。技術の進展によって、可能性や偶有性の領域が広がり、こうした問題を浮上させています。より大きい話で言えば、ポストモダンや「大きな物語」の凋落というのも、偶有性の領域の広がりだと捉えられます。

 『存在論的、郵便的』に関する批判には、見るべきものがありません。理論は単純化するものだとか、コミュニケーションにはノイズがあるとか、言っても仕様がない。単数的な超越論性か、複数的な経験性か、という二項対立に、「複数的な超越論性」という問題を立てたところに、この本の意義があります。これは直接関係ないたとえですが、単純な秩序か、複雑な現象か、という二項対立をカオス理論が崩したようなものです。

 ただ、『動ポモ』では、理論装置がデータベース=複数的な超越性に変わって、理論的に退行しました。そういうたんなる確率的な組み合わせの問題ではなく、差異の生成システムとしてノベルゲームを捉えています。だから私は、『動ポモ』『動ポモ2』の路線ではなく、『存在論的、郵便的』を理論的バックボーンにするのです。
sirouto2

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>あらゆる可能世界が可能であるがゆえに現実である、みたいな話
本作はパラレルワールドを展開するので、そういう可能世界の実在論に近い立場に立ちます。すると、http://togetter.com/li/112536 での「個別性が偶有性に後退」する問題が出てきます。死や生が一回性のものでなくなり、存在の耐えがたい軽さが出てきます。が、キャラの存在より世界の謎が主軸になる「死にゲー」タイプの作品もよくあります。『ひぐらし』『うみねこ』もそのように捉えています。そこで開き直って、謎解きゲームの世界に徹しようと思っています。

 本作はエンターテイメントなので、ややこしいテクニカルな問題は、御都合主義的設定で回避します。たとえば、「可能世界間で属性が違っても、指紋のようなもので同一人物と特定できる」設定があるので、貫世界同定の問題は生じません。つまり、キャラが交換可能だと読者はイヤだろうから、アイデンティティを自明にします。そのように設定でどうにでもなるので、専門的な議論での正しさよりは、読者に何が求められているかが重要になります。なお、「グレッグ・イーガンの塵理論」は聞いてはおりましたが、教えていただいので改めてチェックします。

>あらゆる可能世界が可能であるがゆえに現実でありうるのに~
本作はパラレルワールドの導入によって、選択できる範囲が現実より広くなっています。しかしそれでも、選択して可能性を縮減する仕組みは必須だと考えています。なぜなら、あらゆる可能性が並列されているだけだと、ドラマになりません。ボードゲームでたとえますと、将棋やチェスは繰り返し指せますし、定跡は共有されています。が、解析され尽くしてはいませんし、あらゆる指し手は等価どころか必ず差異があります。コマは個性を持ち、盤のマス目も場所性を持ちます。私は、そういう差異の生成システムとしてノベルゲームを見ています。
sirouto2

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>可能世界は仮想的に存在する、ということを、仮想世界で描くのは想像力の後退~
 「物語を発散させる」のは、『うみねこ』というより『エヴァ』によって流行った手法でしょう。超えるかどうかは主観にもよるのでともかく、方法論はそれらの作品以前から、いろいろあると思います。

 前提として『ひぐらし』『うみねこ』はEP8までプレイ済みですが、それらが流行したのは、作品の外部が「バベル」化したからだと捉えています。本編は一本道のループでも、外部では仮想的に際限なく分岐していく。このバベル化は、ノベルゲームのボリュームが際限なくインフレするのとは別のことで、むしろ無限分割の問題として捉えています。有限の長さの線分も無限に分割できるという話は、ボルヘスの『伝奇集』にもありました。

 ただ、ご指摘のとおり、仮想化には、「想像力の後退」という側面があることも否めません。前述のエンターテイメントの要請があるので、本作ではメタフィクション性を消すことはできなくても、なるべく軽減はします。それにはまず、私の分類ですが、作中から現実を参照する上方のメタフィクションと、作中で作中作を参照する下方のメタフィクションに分けます。後者のほうが相対的にリアリティを損ないません。まず、この前者を避けることにします。『うみねこ』も後者です。

 また、 http://togetter.com/li/112536 に対して言えば、可能世界=メタフィクションとは限りません。虚構世界と可能世界は区別できます。前者は実在する可能性を持ちませんが、後者は持ちます。さらに、SF的な平行世界は、それぞれの世界が実在しています。『うみねこ』はさしあたりループものですが、序盤のEPでは、前者=創作説でも、後者=平行世界説でも解釈できました。本作のほうでは、より強く後者の立場を取ります。要するに、メタフィクションというより、パラレルワールドとして描きます。
sirouto2

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 間が空いてしまって恐縮ですが、難しい問題なのでいろいろ考えていました。

>時間と可能性が非対称的・互換的であるというのは現実世界の話であって~
 テクスト論的な視座は一般ユーザにないので、crow_henmiさんに聞いたかいがありました。そのようなテクスチュアルな側面を持たせたいのです。ただ、本作はエンターテイメント作品なので、一般ユーザの感覚に合わせた分かりやすさを保つ必要があります。

 また、テキスト読解の方法論としても雑とは限らず、たとえばミステリにおいて、過去の実在性は大前提になっています。たとえば、遡及的に過去が生成できると、解が収束しません。ところが、まさにそういうアンチミステリーをやりたくて、分かりやすさやフェアネスと衝突するため、だいぶ悩みました。今ではあるていど筋道が立っていますが。

 時間性と可能性の非対称性は、過去と未来の非対称性に置きかえられます。そして、過去も、過去には、未来の可能性のひとつでした。 http://togetter.com/li/112536 に対する新たな視座として、「昨日の自分から今日の自分へ」の確定した連続性だけでなく、「今日の自分から明日の自分へ」の不確定な連続性にもリアリティを見出せます。時間的連続性か可能世界かという対立に見えて、時間的連続性の先が可能世界に分岐しているわけです。

 偶有性とノベルゲーの親和性のご指摘については、もちろん、『動ポモ』『動ポモ2』もいちおう踏まえていますが、さらに前の『存在論的、郵便的』が理論的なバックボーンになっています。さらに言うと、その一冊だけというより、可能世界論の可能性を可視化したいのです。といっても、エンターテイメントなので、思弁的な話は表面に出てきませんが。
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http://light-soft.hateblo.jp/entry/2012/03/12/062121
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そして、可能世界は仮想的に存在する、というテーゼは、制作ゲームにも適用するつもりです。

「うみねこのなく頃に」が非選択肢式オムニバスノベルであるべきたったひとつの理由 - BLUE ON BLUE(XPD SIDE)跡地 http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20090302/1235990509

上記エントリで言う「「あらゆる解に発散しうる」バベル」のノベルゲームを、私は作ろうとしています。
上記では「無限」だから「無理」、とされていますが、可能性としての無限なら可能だと思います。

たとえば、『ひぐらし』『うみねこ』でいえば、本編では唯一解を指向していたとしても、
外部の掲示板やWikiでは解が発散していくので、それも含めれば仮想的にバベル化してます。

だとすれば、そういう仕組みを内部化すればいいのではないかと。
それに、PBM/PBWというのは、すでにそういう面があると思います。

そういうバベルのノベルゲームの問題点とその解決案を、
問題意識が重なるため、crow_henmiさんにお聞きしたいのです。

もちろん、これだけだと説明不足だと思いますが、
仕様をくわしく説明しようとすると、公開されているここだと書きにくいです。
sirouto2

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Reply tocrow_henmi
そしてこのことが、「Kanon問題」を再燃させます。

選択されず多重に存在する可能世界というのは実在しません。
よって、「Kanon問題」の解決は実現しません。

しかしこれは、ただ否定しているのではありません。
裏を返すと、可能的、虚構的には存在しています。

「Kanon問題」もメタ物語の上でという条件付きで、解決・解消できるでしょう。
そして、「偶有性」といった社会学的な問題系に接続できるかもしれません。

可能世界論の可能性/不可能性 - Togetter http://togetter.com/li/112536

だから、上記の議論について言えば、可能世界(論)そのものは現実(的)ではないが、
人間の共同体は物理的なレベルだけでなく心理的なレベルでも構築・運営されているので、
完全な「出来レース」ではないし、語る意義もある、といった見解を持っています。
sirouto2

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Reply tocrow_henmi
>「メシア的時間」について(~)「「多重的」な時間性」
なるほど、ご返答いただけて、認識の相違がはっきりしました。

時間の循環性というより可能性の多重性、
もしくはその両方に重点があるのですね。

どうしても「時間」という言葉に引きずられて、
「カイロス時間」のイメージだけで解釈していました。

ただ、縦と横の区別と違い、時間と可能性は非対称的、非互換的です。

「その論理であれば、過去の私と現在の私も同一存在でない」(http://togetter.com/li/112536
とありますが、過去の私と現在の私は同一性があると考えます。

なぜなら、可能性は実在しませんが、過去は実在するからです。
だから、可能世界の罪は問われず、過去の罪は問われるのです。
sirouto2

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Reply tocrow_henmi
>ひぐらしについては~特殊な強みがあるので、一概に比べるのもどうか
『ひぐらし』は代表例で、低予算かつ個人制作の同人/フリーゲームは多いです。
もちろん、クオリティでは商業に勝てませんが、なんらかの意義はあるでしょう。

ただ、そもそも先に押しかけて来たのはこちらですし、自分が「魔竜院」だからといって、
ご迷惑もかえりみず過去の総括を強いてしまっていますので、指摘すること自体は遠慮なくどうぞ。

>可能性世界に開けていく物語についての知見が得られる~ボルヘス「八岐の園」
ボルヘス『伝奇集』――半世紀以上前のノベルゲーム的発想 - 萌え理論Blog http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20100707/p1

ボルヘスはすでに読んでいて、制作ゲームの発想元のひとつです。
やはり模倣ではないので、あのように思弁的な文体にはしませんが。
sirouto2

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これは私の粗雑で勝手な理解かもしれませんが、メシア的時間とは、
現実的な世界をメタに認識するときに流れる主観的・想像的時間、
くらいの意味で捉えてもよろしいでしょうか?

すなわち、近代的時間、可能世界、分岐、ループなど世界の構造とそのままイコールではなく、
むしろそれをメタに見る主体や共同体の世界認識の構造、という理解で大丈夫でしょうか?

つまり、物語世界をメタに見られるプレイヤーには、メシア的時間が流れている。
そして、登場人物も、メタフィクション的に分岐やループを認識すれば(したとたん)流れる。

よってたとえば、言及されている『CC』『イマ』以外にも、
『YU-NO』のADMS、『ひぐらし』で梨花と羽入のカケラ世界(罪滅ぼしの覚醒・圭一)、
『うみねこ』の上位世界などは、メシア的時空だと言ってよい……でしょうか?

一方的に話してしまい申し訳ありませんが、もし全く認識が違っていて、
そのことで取りこぼす論点がありましたら、お考えを聞かせてください。
sirouto2

crow_henmi id:crow_henmi

可能世界論の可能性/不可能性 - Togetter http://togetter.com/li/112536
「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱いにおいての@tukinoha氏との応答 - Togetter http://togetter.com/li/8793
「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱い - Togetter http://togetter.com/li/8693

先に述べた理由から、上記の御説を拝読して、たいへん参考になりました。
というのも、制作ゲームでは、「可能世界」が中心的な役割を果たすからです。

ただ、分からないところがあるので、質問させて頂いてよろしいでしょうか?
まず、「メシア的時間」というのは、どのような意味でお使いになっておられますか?
sirouto2

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ノベルゲームから遠ざかられているところに、押しかけてしまい恐縮です。

ただ、そうまでしてお聞きしたいのは、本制作ゲームに固有のシステムがあり、
一般的なノベルゲームの制作ノウハウだけでは、不十分なのです。

『うみねこ』の「赤字」システムに相当するものをイメージしてください。
模倣するわけではないので、赤字そのものは関係ありませんが。

そういう挑戦的な独自システムは、商業ではまずできませんし、
前例がないから抽象的な評論のほうがかえって応用が利くのです。

たとえば、制作ゲームでは、フラグを完全に排除するので、
いかにフラグを立てるかというノウハウは関係ありません。
sirouto2

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Reply tocrow_henmi
あの精緻な評論がもう見られないのは個人的に残念ですが、
実作経験がおありということで、ぜひお話し下さればと思います。

商業ではなく同人で出すので、制作資金についてはご心配なく。

初期の『ひぐらし』はコミケで少部数の配布だったそうですが、
べつに「まじめ」に取り組んでいなかったわけでもないでしょう。
sirouto2

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Reply tocrow_henmi
>crow_henmiさん
お久しぶりです。萌え理論のid:sirouto2です。

ご多忙中に恐縮ですが、ご返答は一日一レスとかゆっくりでも構わないので、
もしよろしければ、少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?

私がノベルゲームを制作中のため、
ノベルゲームのことについてお聞きしたく思います。

適当な場所がないのでHaikuまでお邪魔しましたが、
ここでも、メールやメッセなどでも、どちらでも構いません。いかがでしょうか?
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