吉村昇洋『心が疲れたらお粥を食べなさい』

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yanoz

吉村昇洋『心が疲れたらお粥を食べなさい』

曹洞宗の僧侶で臨床心理士でもある著者が、永平寺での修行経験や、自身で開いている精進料理教室での経験を踏まえて、調理や食事を丁寧に行うことが、禅の修行に通じることを語り、仏教の思想的なコアの部分を示そうとする一冊。

ニー仏こと魚川祐司さんが勧めていたので読んでみた。

効率よい調理の仕方だとか、具体的なアドバイスも有効だけど、永平寺の修行風景がとても印象的で、道元が中国の寺で、食事する事も修行の一貫であると目の当たりにして、日本に体系的に導入した調理と食事の作法が、道元の著作を典拠としつつ今に生きていて、その修行のあり方が生み出す美しさには、仏道を体現するものがあると情景として示そうとする語りには、確かに説得力があり、禅寺というと理不尽な暴力が横行する場所というイメージをいつの間にか植え付けられていた自分には見えていなかった事に気づかされた。

食事をめぐる、歴史的な変化だとか、いただきますの挨拶で合掌するという慣習が、昭和に入ってから日本社会に広く定着したものであることに触れる一節もあって、非合理的なものをそれとして認めながらも合理性や批判精神をしっかりと手元に置いているというようや、僧侶でもあり大学で教えている立場でもある著者の姿勢が垣間見える語り口も面白い。
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