清水潔『騙されてたまるか』

"清水潔『騙されてたまるか』" でひとこと

書き込むには、ログインまたはユーザー登録を行ってください。 初めての方へ

yanoz

清水潔『騙されてたまるか』

最近新潮新書づいてますが、副題は、調査報道の裏側。

写真週刊誌のカメラマン、記者、その後テレビにメディアを移して報道を仕事としてきた著者が、自身の取材経験を語る一冊。

プレスリリースや記者会見などを記事にまとめる発表報道とは違う、現場で地道な取材を重ねて隠れた事実を世間に訴える調査報道との違いを、著者は、「小さな声を聞くこと」と言う。

扱われた事件と、その真実を解き明かす取材プロセスとの描写が、鮮烈で、まあ刑事ものドラマのようにスリルにあふれるし、誤報や冤罪に巻き込まれた人に直接取材した親身な描写などは、ため息や憤りなしには読めないもので、評判になるのも納得する。

桶川ストーカー事件や足利の幼女殺害事件など、著者の取材が無ければ、真相が闇に葬られたままになっていたのだろうもので、こんな地道で精力的な取材を立て続けにするジャーナリストが居たのか、と感銘を受けずにはいられない。

他に、ブラジルに逃亡した強盗犯を追跡する話、三億円事件の犯人と名乗り出た詐欺師の足取りを明らかにする話、北朝鮮拉致事件の真相を追う話、特攻隊員とその婚約者の生涯を辿る話など、など。

報道の意義を訴える真面目な本でもあるけど、推理小説顔負けなくらい、続きが読みたくなる本でもある。
▼はてなハイクの今月のスポンサー

規約違反を通報

非表示設定

表示内容を選択