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中村敦彦『崩壊する介護現場』

介護現場の悪い話をルポしているけど、一面的で、興味本位で話題を選んでいる印象が残る。

私怨によると思われるバイアスも感じる。

現場の深刻な問題の一面をえぐっているところはあるので、前向きすぎな本と合わせて読むと良いかなと思う。

困難ななか、うまく行っている現場も少なからずあるはずなので。

介護保険制度の問題点についても、営利企業の問題点など、当たってる所はあるとは言え、全体としてはちょっと短絡的な断罪かと思う。取材が中央官庁に及んでなくて、制度の変遷した理由について触れないので、考察が浅い。

ただ、美容師や飲食店のように、独立志向の人がもっと居て良い、その方が地域密着サービスができるはず、という観点は面白い(あとがきなど)。

なんでそういう方向に誘導する政策が実現できない結果になったのか、という理由を分析できていないので、提言としては、なんか無責任で投げやりなものになっているのが残念。

個人タクシー制度とかを念頭に比較してみるといろいろ見えてくるかも、と思う。

著者は裏社会とのつながりに言及していたりもするけど、それを考慮すると、業界大手の社長に関する性的スキャンダルについて、具体的な証言を書いているというのは、弱みを握っているんだと誇示している感もある。

高齢者介護の世界は、相続とかを巡るトラブルとも隣り合わせだったりするので……いずれにせよ、こういうスタンスの著者が介護の世界に影響力を振おうとしていて、介護という仕事について、ネガティヴな発言を繰り返している事については、その背景も含めて、より慎重に注視しておくべきかもしれない。








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